これまでのあゆみ

演奏会詳細

プロムナードコンサート 2010年 春

日時 2010年3月22日(月・祝) 14:00開演(13:30開場)
会場 セシオン杉並
曲目 シューベルト/交響曲第5番 変ロ長調 D485
フォーレ/組曲≪マスクとベルガマスク≫
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ドビュッシー(ビュッセル編曲)/小組曲

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  • シューベルト/交響曲第5番 変ロ長調 D485(全楽章)(mp3:準備中)
  • フォーレ/組曲《マスクとベルガマスク》(mp3:準備中)
  • ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ(mp3:準備中)
  • ドビュッシー(ビュッセル編曲)/小組曲(mp3:準備中)

曲目解説

シューベルト/交響曲第5番 変ロ長調 D485
7歳で神童と呼ばれたシューベルトを輝かしい音楽の道へと押し上げたのは彼の友人達でした。彼が11歳の時から、友人達は小遣いを出し合って貧乏な彼に五線紙を買い与えてやり、彼の才能が開花してなお自分たちの食事を分け合って食べ、楽譜の代金を払ってやり・・・常に誠実な態度で励ましを与え続けました。才能とは時としてこのような美しい物語も生み出すのです。
そんな彼が交響曲第5番を書き上げたのはわずか19歳の頃。同じ年に書かれた4番の抒情的な熱さに比べて管楽器の扱い方がかなり洗練されてきており、手堅くも軽やかに仕上げた初期の傑作として人気の高い作品です。軽やかとはすなわち楽器編成の少なさで、クラリネット、トランペット、トロンボーンが省かれ、ティンパニも欠くという小編成ぶり。まさに私達にとってちょうどいいサイズ!といったところでしょうか。
しかしこの軽やかさを演出する難しさとは一体なんでしょう。なにせ19歳の若者が書いたさわやかな歌曲を、10も20も(?)年の離れた私達がえっこらさ〜と再現を試みるのです。練習の最後まで議論の耐えなかったこの曲、果たしてお客様に楽しんでいただけるか!?私達の願いは常にそこにあります!(ヴァイオリン・G)

フォーレ/組曲《マスクとベルガマスク》
フォーレの作風は変遷を重ねました。初期には若きシューベルトを思わせる古典様式を、中期には『パヴァーヌ』等の優雅な調べを、晩年には進行する難聴に抗うかのような透徹した室内楽を、というように。
そうした変遷を垣間見られる作品が『マスクとベルガマスク』。作曲者74歳の冬、R.フォーショワによるイタリア風演劇に、新作と初期〜中期旧作を組合わせて音楽を付した最後の劇作品。本日は、その中からフォーレ自ら新作4つを抜粋して編んだ組曲を演奏します。
1.序曲:初期作品を元にした軽快なモーツァルト風組曲。
2.メヌエット:同じくモーツァルトを思わせる古典的な舞曲。
3.ガヴォット:未刊の初期交響曲の主題を活用した舞曲。
4.パストラル:移ろう和声が繊細を極める清澄な舞曲
ところで、フォーレがフランス楽壇で果たした役割は偉大でした。パリ音楽院作曲科教授時代の愛弟子の一人はラヴェルであり、同院長時代には異端視されていたドビュッシーを楽壇の中央に招き正当に評価しました。20世紀フランス音楽の栄華はフォーレ無くして有り得なかったのです。(チェロ・S)

ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
何やらいわくありげな題名がついていますが、たまたま韻を踏んでいて語呂が良かっただけでラヴェルによりこの曲名にされたといわれています。パヴァーヌとは古いヨーロッパの舞踏や舞曲を意味しています。舞足の荘重なテンポで演奏されるのを耳にしたラヴェルが、「王女のための死んだパヴァーヌではない」と発言したとか。冒頭のメロディーはどなたでも耳にされたことがあるかと思います。ただしホルンにとっては事故多発区間である為、憧れのままにしておきたかった曲の筆頭候補。嗚呼無事生還したい!!(ホルン・M)

ドビュッシー(ビュッセル編曲)/小組曲
『小組曲』は、1889年、ドビュッシーがまだ27歳のときに作曲・初演されたピアノ連弾曲です。当時のサロン音楽の枠内の平易な作風ながらも、全音音階や旋法的な旋律など、後年の彼を特徴付ける手法の萌芽が既に見られます。
そして1907年に、ドビュッシーの友人で指揮者かつ作曲家かつパリ音楽院教授であるアンリ・ビュッセルによって管弦楽編曲され、大好評を博しました。管楽器のソロや、弦楽器や金管楽器の弱音器、打楽器・ハープ等を効果的に用いて、音色と音量の微妙な色合いを精緻に描き分ける、円熟期のドビュッシー自身の筆を思わせるビュッセルの編曲には、ドビュッシーも満足していました。
第1曲「小舟にて」、第2曲「行列」は、「月の光」等と同様にヴェルレーヌの詩集『艶なる宴』に着想を得ています。ハープのさざ波の上で、ほとんど協奏曲のようにフルートが活躍します。オーボエ、イングリッシュホルンなどリード系木管楽器の掛け合いが美しい第3曲「メヌエット」は、ドビュッシーの初期の歌曲から転用された、ルイ王朝時代を思わせる優雅な旋律が印象的です。そして第4曲「バレエ」は2拍子のダンスとワルツが交互に現れ、華やかに終わります。(フルート・K)

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